だんだん暖かくなり始めてきた5月あたま。
明日からゴールデンウィークとあってクラスのみんなのテンションが高い。
「あれ?啓太荷物多くない?」
帰りの支度をしてるとふと啓太の荷物が気になった。
かなりの量の荷物が机の上に置かれている。
「おう、今日からサッカー部の遠征なんだ!来月最後の大会だから気合いれなきゃ!」
そう言って腕まくりをする。
そっか。もう3年生なんだもんね。
部活も終わっちゃうのか。
啓太の横顔も心なしか寂しそうだ。
「来月の大会、応援いっちゃおうかな。秋と」
そう言うと啓太はバッと顔を上げた。
「マジで!?マジ来てくれるの!?」
すごい嬉しそうに聞いてくる。
それを見て、あたしは笑って頷いた。
「うん、啓太の最後の大会だし、見に行くよ!」
そう言うと啓太は嬉しそうにガッツポーズをした。
そしてHRが終わると元気よく教室を出て行った。
本当にサッカーバカなんだから。
ふふっと笑って秋のとこに行く。
「あ~真子、今日あたし用事あるから先帰るね!」
そうあたしに言った。
だいぶ急いでるみたいだ。
「うん、わかった。じゃあまたね」
そう言うと秋もすごい勢いで教室から消えた。
あたしも帰ろう。そう思ってのんびり歩いて学校から出た。