「おい!あいつ誰だよ!」



教室に戻るないなや啓太がそう言ってきた。

あたしは席について途中だったイチゴオレをごくんと飲んだ。



「隼人くんのお兄さん。賢一さんって言うの」



すると秋がニヤニヤしながら口を開いた。



「あ~あれが賢一さんね!ところで何もらったのさ~」



あたしの持ってきた紙袋をチラリと見る。

啓太もそれが気になるみたい。



「マフラーもらった。バレンタインのお返しだって」



そう言ってマフラーを見せる。

啓太は悔しそうな顔をしてグチグチ何か言っている。

その時ちょうどお昼が終わるチャイムが鳴ったから、その話はここまでになった。

そして放課後、隼人くんとの待ち合わせの中庭のベンチに来た。



「あ!真子先輩おつかれ~」



そこにはもうすでに隼人くんがいた。



「おつかれ~」



そう言いながら隼人くんの隣に座った。



「はい!これホワイトデー!!」



ニコニコしながら隼人くんが紙袋を差し出す。



「エヘヘ、ありがと」



笑ってそう言うと隼人くんは早く開けてとせかしてくる。

あたしは紙袋から可愛くラッピングされた袋を取り出して開ける。