「ごめんね、焼きそばパン売切れなのよ~」



購買のパン屋のおばさんにそう言われた。

俺の好きな焼きそばパンが…



「そっか。じゃあコロッケパンにする」



「ありがとね。明日は多めに持ってくるから」



おばさんがそう言ってくれたから俺はニッと笑った。

そして教室に戻るとき、ふと階段からグランドを見た。

すると誰か正門で話をしている。

よく見てみると…



「兄貴?」



兄貴がいる。って言うことは話してるのって



「真子先輩だ」



なぜか兄貴と真子先輩が正門で話している。

そうか、今日はホワイトデーだから兄貴もお返し持ってきたんだ。

真子先輩の頭を撫でて笑ってる。

俺の先輩に触るな。そう思ってもこっからじゃどうもできない。

そのうち手を振って兄貴は帰って行く。

俺はただ、窓からそれを見てることしかできなかった。