これはいったいどういう状況なんだろう。



「ちょっとあなたぁ~、焦げ臭いんだけど」



「文江!火が強すぎるっていつも言ってるだろ!?」



「だって~スイッチ入れたらこうだったんだもの~」



「このスイッチをこうするんだ」



「キャー!あなた天才♪」



目の前でそんなやり取りがされている。

いちゃいちゃしすぎてこっちが恥ずかしくなる。

なんでこんなとこにいるんだろう。

数時間前の記憶を呼び起こす。

俺は真子先輩からバレンタインのチョコをもらうために帰りのHRが終わったら

ダッシュで中庭に行こうとしていた。

けれど…俺の追っかけが待ち伏せしてた。

あっちへこっちへ追い掛け回されて、当分は中庭に行けないと思った。

だから俺が帰りに真子先輩の家に寄るっていうメールを送った。

そしてなんとか学校を出ることができた。

真子先輩に『今から行くよ』とメールを送り、先輩の家に向かった。

そして先輩の家に行くと…玄関の前に人だかりが。

よく見ると先輩が誰かに抱きしめられている。

けれど抱きしめてるのは女の人だった。

そしてその女の人と目が合った瞬間、俺まで抱きしめられた。

一体なんなのか全然把握できなかった。

そしてなぜか俺はここにいる。

真子先輩の家のソファに座ってる。