この前賢一さんに教えてもらったおしゃれなケーキ屋さんで手土産を買った。
プリンがおすすめらしい。
そしていよいよ、隼人くんちにおじゃまする。
隼人くんのお兄さんか。どんな人だろう。
隼人くんに似てすっごい可愛かったりして。
そんなことを考えながら隼人くんの家のマンションに向かった。
「…き、緊張する」
インターフォンのボタンの前で手が止まる。
携帯で時計を見ると11時5分。
もう大丈夫だよね?
あたしは意を決してインターフォンを押した。
ピーンポーン
「はいはーい!」
隼人くんの声が聞こえた。
一気に緊張が高まった。
ガチャリとドアが開くと、隼人くんが顔を出した。
「こんにちは!!どうぞ!」
そう言ってにっこり笑う隼人くん。
隼人くんは私服のセンスがいい。
大人っぽすぎず、子供すぎず、自分に似合う服をわかっている。
「こ、こんにちは!おじゃまします」
そう言ってあたしは玄関に踏み入れた。
前来た時もそうだったけど、すごいきれいになってる。