そう言った陽太を、美佳がじとっとした目で見る。
「そうじゃなくて、陽太、私に内緒で合コンに行ったことがあるんだ」
「え? ち、違う、行ったのはまだ美佳と付き合う前だよっ! そ、そりゃ美佳のことは一目惚れだったけど、でも、俺たち付き合うまでにほんの少し時間があっただろ? そのときに数合わせにって言われて嫌々……」
陽太が大慌てで釈明している。
「え~、そんなの信用できな~い。あわよくば誰かと付き合おうとか思ってたんじゃないの?」
美佳に疑り深げに言われて、陽太が眉を下げた情けない顔になった。
「ホントだよ! 行ったけど誰もお持ち帰りする気も、誰とも付き合う気もなかったんだからっ。俺にとって理想の恋人は美佳だけだよっ!」
「怪しい~」
「ホントだって、信じてくれよぉ」
二人のやりとりを見ながら私は親子丼を食べ終え、バッグを肩に掛けて立ち上がった。
「あ、明梨!」
気づいた美佳に呼びとめられるけど、私はトレイを取り上げて言う。
「私はもう行くから、後は二人で夫婦げんかするなり仲直りするなり好きにして」
「ちょっと明梨ぃ、まだ話全部聞いてないよぅ」
「そうじゃなくて、陽太、私に内緒で合コンに行ったことがあるんだ」
「え? ち、違う、行ったのはまだ美佳と付き合う前だよっ! そ、そりゃ美佳のことは一目惚れだったけど、でも、俺たち付き合うまでにほんの少し時間があっただろ? そのときに数合わせにって言われて嫌々……」
陽太が大慌てで釈明している。
「え~、そんなの信用できな~い。あわよくば誰かと付き合おうとか思ってたんじゃないの?」
美佳に疑り深げに言われて、陽太が眉を下げた情けない顔になった。
「ホントだよ! 行ったけど誰もお持ち帰りする気も、誰とも付き合う気もなかったんだからっ。俺にとって理想の恋人は美佳だけだよっ!」
「怪しい~」
「ホントだって、信じてくれよぉ」
二人のやりとりを見ながら私は親子丼を食べ終え、バッグを肩に掛けて立ち上がった。
「あ、明梨!」
気づいた美佳に呼びとめられるけど、私はトレイを取り上げて言う。
「私はもう行くから、後は二人で夫婦げんかするなり仲直りするなり好きにして」
「ちょっと明梨ぃ、まだ話全部聞いてないよぅ」