咲夜「姉さん、最後にもう一度言うね?

これで最後にするから。



僕たちと、フランスで過ごそう」




…そう。



野沢家のみんなは

こんな私を捨てずに、

一緒に住もうと言ってくれていて…



百合さんの実家でもあるフランスに

今は住んでいる。



星夜のお墓も、もちろんそこにあって

未だにお墓参りには行けていない。



フランスにいる野沢家の皆さんには

なかなか会えないけど



今の中学を卒業するまでは

咲夜くんは日本に残るみたい。




『…行きたい。けど…

私は彼の好きだったこの街を

自分の手で守りたいから』



そう告げた。



少し悲しそうに

「そっか」

と言った咲夜くん。



ごめんね、ありがとう。




咲夜「兄さん…夢ではなんて?」



『怒ってた。

いつまでしょぼくれてんだ!

俺も祭り行きたかったなー。

俺の分まで楽しんできてくれないのかな

ーって。』



咲夜「クスッ 兄さんらしいね笑」




瑠奈「じゃあどうして今まで…」



『うん…あの人が行けないのに

私は呑気に行っていいのかなって。』



咲夜「でも…気づいたんだよね」



『えぇ。みんなのおかげで気づけた。

こんなの星夜は望んでないってこと。』