お兄ちゃん、と呼ばれた人を

私はふっと見てみた。



『え……?』


と、声を漏らす。





「久しぶり、姉さん」


と、微笑む彼。




彼は…私の大事な人の弟さん。




『咲夜くん…』



野沢 咲夜-nozawa sakuya-

私の元カレの弟くん。




咲夜「元気だった?」


『えぇ…』



気まづくて俯く。



咲夜「姉さん、あれは姉さんのせいじゃ

ないよ。」




首を振る私。




咲夜「姉さんがそんなんじゃ

兄さんが悲しむから。…ね?」



と、私の顔を上に向かせ

にこっと微笑んだ。




目に涙が溜まる。




咲夜「じゃあ、またね」



と、彼は暗闇に去っていった。