ずっと麻里の名前を、避けてきた俺。

口にしたのなんて、いつぶりだろう?


思い出せないくらい、俺は麻里から逃げていたんだ。


でももう、それも今日で終わり。

これからは、麻里と向き合っていく。

そう決めたから。


隼多は俺の言葉を理解すると、フッと笑った。


「俺に聞くより、唯香に聞く方がいいよ」


そう言って、瀬名を呼び出した。


こうやって、三人集まるのもいつぶりだろうか?

麻里がいなくなってから、それさえも避けていたから。