「卒業生、退場」


司会の声で、俺たちは退場する。

音楽が流れる中、

たくさんの拍手と花吹雪に祝福されて、

最後の体育館を抜けていく。


退場しながら在校生の席を見ると、泣きながら微笑む碧依が見えた。

その近くには大輔もいて。

少し後ろでは、悟も笑ってた。


そして、保護者席では、

健と一緒に麻里がいた。


「翼、卒業おめでとっ!」


泣きながらも、笑いながら祝福の言葉をかけてくれる麻里。

麻里の横を通る時、俺は麻里に手渡した。


俺の心臓に1番近い、制服の第二ボタンを…