卒業式の日、

麻里は俺の卒業を見守るように、

保護者席にいた。

俺の両親と、健と一緒に。


「岸部翼」


担任が、俺の名前を呼ぶ。


「はい」


俺は堂々と返事をして、その場に立った。


「北村隼多」

「はいっ」


俺の次に、隼多の名前が呼ばれる。

三年間、同じクラスで出席番号が前後だった隼多。


「瀬名唯香」

「はい」


少しして、瀬名の名前が呼ばれた。

瀬名も、三年間一緒だったんだよな。


1年の頃はここに、麻里がいたのに。