麻里を腕から解放して、微笑みながら見つめた。

すると麻里も、優しく微笑んだ。


涙の残る目元をそっと拭って、

頬に手を添えた。


そして、そのまま顔を近付ける。


目を瞑る麻里に、そっと口付けをした。

初めて触れる麻里の唇は、涙でしょっぱかった。


「俺と、結婚してくれますか?」


見つめながらそう言うと、


「はい」


満面の笑みで頷いてくれた。


俺は麻里とおでこをくっつけ合って、幸せそうに微笑んだ。


麻里の腕の中の健に

『パパになってもいい?』

って尋ねると、

嬉しそうに笑ってくれた。