と、いうわけで私たちは会社近くで個室のある居酒屋にやって来た。

「お疲れ様」

「お疲れ様でーす」

シークヮーサー酎ハイで乾杯して料理を待つ間、香山さんがキラキラした目で早速問い掛けてきた。

「主任はいつからCityNoiseのファンだったんですか?」

「私、中1だったかな」

「主任が中1ということは〜」

と、言いつつ香山さんは目を空に泳がしたとおもいきや、パッとこっちを見た。

「CityNoiseがデビューした頃ですよねっ」

計算早っ。なんだこの特殊能力。これが『マニア』というもの?

「そ、そうね。デビュー曲歌ってるの見てファンになったから」

「あ〜、そうなんですね」