「……ん」
いつの間にか意識が飛び眠ってしまったらしい。美貴は重たい瞼を押し上げると、窓の外には全く知らない世界が広がっていた。延々と続く田畑は広大で、けして東京で見られる風景ではなかった。
(そうだ! 次で降りるんだった!)
悠長に景色に感動している場合ではない。美貴は慌てて荷物棚から荷物を下ろして乗降口へ向かった――。
(寒い!!)
もう四月になろうとしていたが、東京を出た時とは確実に気温が違う。スカートから覗いた足にちょっかいを出すように冷たい空気がさらっと撫でた。新幹線で通った地域は猛吹雪だったが、美貴のたどり着いた場所は所々に雪の塊があるくらいで雨も降っていなかった。しかし、すでに日は暮れていて、美貴は駅を降りたところでタクシーを捕まえることにした。
新幹線の駅だというのにこの近辺は閑散としていて、まさに『ど』がつく田舎だった。小さなショッピングセンターがぽつんとあったが、まだ夜の九時だというのにすでに閉店している。
(お腹すいたな……)
いつの間にか意識が飛び眠ってしまったらしい。美貴は重たい瞼を押し上げると、窓の外には全く知らない世界が広がっていた。延々と続く田畑は広大で、けして東京で見られる風景ではなかった。
(そうだ! 次で降りるんだった!)
悠長に景色に感動している場合ではない。美貴は慌てて荷物棚から荷物を下ろして乗降口へ向かった――。
(寒い!!)
もう四月になろうとしていたが、東京を出た時とは確実に気温が違う。スカートから覗いた足にちょっかいを出すように冷たい空気がさらっと撫でた。新幹線で通った地域は猛吹雪だったが、美貴のたどり着いた場所は所々に雪の塊があるくらいで雨も降っていなかった。しかし、すでに日は暮れていて、美貴は駅を降りたところでタクシーを捕まえることにした。
新幹線の駅だというのにこの近辺は閑散としていて、まさに『ど』がつく田舎だった。小さなショッピングセンターがぽつんとあったが、まだ夜の九時だというのにすでに閉店している。
(お腹すいたな……)