冷たく響くその声。
「最初から…………
……歪んだ運命…だった……」
本当は……運命は
歪ませなきゃいけないんじゃなかった。
歪んだ運命を
直さなきゃいけなかったの…………?
「…………でも……………報われたから
ありがと……………」
血に汚れた手のひらが、
私の頬を濡らす涙を拭う。
「最期に……………………
声が聴けて…………嬉しい…………」
「な………んで………………」
そんなこと言うの?
「……いっぱい………傷つけた……けど
……美桜の弟で……よかった………」
降り注ぐ雨に、声が遠ざかる。
楓の意識は、再び
奪われてしまった。
これが…………最期なの?
全部終わるの……………?
「そんなの…………や………」