夜中の十二時。いい感じに寝ていた私を起こしたのは、隣で寝ていた彼。
私は寝ているときは何でもかんでも敏感だということを忘れたのか。

「愛してる」

「起こしておいて言うのはそれだけ?」

「ならむしろ何と言ってほしいの?」

ため息をついて起き上がる。

「普通謝ったりするでしょ....。ああもう、すっかり目がさめちゃったじゃん」

「ごめんなさい」

不安げに揺れる青い瞳。どこだとは聞いてないが(聞いてても忘れた)、クォーターだと聞いてるが。腹立つほどにさらさらな髪。女なら皆羨ましがる、ハリウッド顔負けの美しく整った顔。ダメだ。私の語彙力ではこの男の美しさは語れない。

「このくらいで嫌ったりなんかしないよ。ほら、ホットミルク作って。子守唄、聞かせて」

「うん」

言えば、嬉しそうに満面の笑みを浮かべる彼。それが私の、恋人、というものだった。