生美と美弥が付き合ったなら、自分は何のために綾香とかりそめの付き合いを続けているのだろう。 1年後に綾香との関係を整理してから美弥にちゃんと思いを伝えようなどと考えていたのがバカらしく、優は自分ののんきさを笑った。

虚脱感満載でソファに背を預けたところで、またドアが開いた。次も母ではなくて、今度は父の勇だった。

「母さん、まだ講座なの?」と、いらだって八つ当たりのように尋ねた。
「ああ。もう少しかかりそうだぞ」
「なんだよ、人を呼びつけておいて。これから約束があるのに本当に勝手だよな」
「なんだか機嫌が悪いな」
「別に」