「葵くん!」
私は付き合ったらばかりの彼氏がいる。
「…何?」
無愛想だけど顔はかっこいい。
「遊ぼーよー」
だけど冷たいです!
「やだよ、めんどくさい」
「構って〜」
「ほらーYOUほうだー」
「…そんなんに乗らないよ」
「…残念」
もう葵くんのバカ!
こうなったら最終手段だ!
「葵くん!葵くん!」
「…」
「チュー!」
「…何?ネズミ?」
なんて鼻で笑う葵くん。
…わかってるくせに!!
何?こう言うのは男子から迫るもんじゃないの!?
「ん!」
再び自分からキスしにいくものの見事に交わされる。
「…葵くーんー」
「何?構ってほしいの?」
と、ニヤニヤしてくる葵くん。
絶対からかってやんの。
趣味悪いなぁー。
…なんて思ってると。
ープルルルル。
「電話だ」
空気読んでよ私の携帯!
誰だよ!?
若干キレ気味で通話ボタンを押す。
「はい!?」
「あーオレオレ」
何!?今時のオレオレ詐欺ですか!?
「…どちら様で」
「中津でーす」
あぁー。中津くんか。
…何で今かなー。
せっかく葵くんと二人きりなのに。
なんて思いチラッと葵くんを見る…
「!!!???」
けど!
「おーいー陽菜ー?」
葵くんが不機嫌だ!
え、何なに!?
私なんかした!?
「陽菜ちゃーんー」
「え、あ!はい」
すっかり中津くんの存在忘れてたよ。
ごめんなさいー。
「…あ、で何て?」
「だーかーら!今度の日曜日二人であそびに行こうぜ!」
「うんー……って、ええ!?」
遊びにいく!?二人で!?
「やだよ!!」
私は葵くんと言う彼氏がいるのに!
『いーじゃんよー』
「いーやーだぁー!」
『お願いします!』
もーしつこい!
なんて言い合いをしていると静かに私の隣に座る葵くん。
「?」
不思議に思ったけど先に中津くんをなんとかしなくちゃ!
「だからね……っん!」
!?
突然葵くんからのキス。
『なんだ陽菜ー?』
電話越しから聞こえる声。
「なぁーキスは?」
へっ!?
「…しねぇーの?」
あ、葵くんはずるいです〃
だ、だけど今は中津くんが先だよー。
な、なんとかしなければ…。
「今はダメ!」
「…」
ムスッとした表情の葵くん。
「中津っ……っん!!!」
『どーした陽菜ー?』
ま、また!?
今電話中だよ!?
今度はがっちりと顔を固定され、見動きが取れない。