「であるからに、我が校という自覚をもって三年間をすごすように…」
ふぁぁあ…あぁ、ねむ。
かれこれ20分喋り続けている、今日初めて会うおっさんの話を聞く哀れな私。
なぁんて、思っちゃダメダメ。
____トントン
肩を叩かれ眠い顔を起こすと、右側からわたしを起こしたであろう白い手が見えた。
「ねぇ、名前、なぁに?」
区切り区切りに甘い声が私に尋ねる。
あれ?確か私の後ろは男の子だったはずなんだけど…女の子?
ゆっくりと顔を右に向けた。
「……天使みたい。」
真っ白な肌に桜色の頬、
さらさらのミルキーブラウンの髪。
「僕、天使じゃないよぉ?」
首を傾げながらいう彼の顔は本当に天使のような綺麗な顔をしていた。
「目がまんまる…」
「うん?ありがとお」
へへへ、と笑う彼の瞳はブラックホールのように私を吸い込んで行くのかと思うほど澄んでいて綺麗。
「僕は萩野羊(はぎのよう)
あなたのお名前は?」
「葉賀まつり…です」
「まつりちゃん!よろしくねえ?」