「では、私はこれで失礼しますね」


彼女は拾ってくれた荷物を俺に渡すとカバンをもう肩にかけはじめていた。


え!?もう帰るのか!?

何か…何か話題を!

この時俺は何を考えていたのか覚えていない。

ただ…だった。彼女ともっと話がしたいって、そう考えていた。


「あっ、あのさっ!」


「はい?」


「明日時間ある?」


「?大丈夫ですけど…」


「そしたらさ、一緒にお昼食べない?今日のお礼もしたいから!」


彼女はキョトンとしていたが、すぐに微笑んでくれて


「はい、分かりました」


と言ってくれた。



























これがはじまり。


俺と、俺の大切な人との出会いだったんだ。