「…へぇ~そんなことがあったんだ」


「そーゆーこと!だから決して彼女なんかじゃない!」


「でもさ、気になっちゃったんだろ?その子のこと」


「…はぁ!?」


慧に言われてドキッ、とした。


確かに綺麗な子だとは思ったけどこの気持ちが何なのかはよく分からない。


でも、今まで一度も抱いたことのないような感情だった。


「…まっ、いいや。頑張れよ。応援してるから」


慧はそう言いながらポンッ、と俺の肩を叩くと、昨日みたいにまたどこかへ行ってしまった。


「…頑張れか…」




きっとこの時から…いや、出会った時からだったんだ。




この気持ちのはじまりは。