「じゃあね、里依紗。気をつけるんだよ!」







「大丈夫だよ。麻花は心配しすぎだよ。」








「そんなこと言って小さい頃誘拐されそうになったのは誰よ。」







「そんなの前の話だもん…。」







「とにかく!気をつけるんだよ?」







そう念を入れて言いながら、麻花は帰っていった。


私と麻花は幼稚園からの幼馴染みで、
ずっと仲良しだ。

私は昔、飴をあげるから、の誘いをどう断ろうかと考えていたら連れ去られたことがある。


それからというものうちの家族は過保護になった。






「ただいま〜。」







「おかえり、里依紗。」







「尚にい、ただいま!」







「あら、里依紗早かったわね。何もなかった?」






うちの家族は、お母さんとお父さん、それに3個年上の尚にいの四人家族。







「大丈夫だよ。」







「もう少しでご飯だからね。」







部屋に行って部屋着に着替えてからリビングに行くといつの間にかお父さんが帰ってきてた。





「だーかーら、いつかは里依紗にも彼氏ができんだろ?」







「そんなもんは里依紗には必要ない。」







「なに?何があったの?」







「親父が里依紗は結婚させねえとか言うんだよ。」







「えー?私だって結婚はしたいなー?」








今のところできるかはわからないけど…。

だけど、今日の麻花の話が気になってそれから会話には集中できないまま部屋に戻りベッドに入った。