『俺はなあ、いじめられていた友達をかばって、死んだんだよ…。』


目の焦点があっていない、左右ばらばらにはめこまれたその眼球は、まるでそれだけで生きているようだ。


わたしは声も出せず、ただ震えながら男のその目を見ていた。


『あげくの果てには、そいつに騙されて、そいつの変わりにリンチされたよ…死ぬまで殴られたさ。』


『そ…その友達は、今…?』


『さあ?「オレの分まで一生懸命生きてる」んじゃね?』


『だったら…だったら、わたしじゃなくて、その友達の方を…』


『殺せ、てか?』


「殺せ」の響きにドキリとする。