『お友達が、「待ってた」ってさ。』


全身を震わせながら親友の姿を見つめるわたしの背中に男が言う。


『ほら、早く死んでやれよ。』


『…友達なら、友達に「死んで欲しい」なんて思うはず、無い…。』


わたしは願うように美香を見つめたまま言った。


『…ふざけんなよ。』


憎しみが込もった男のその口調にわたしは驚いて男を見た。


『「友達の分まで一生懸命生きる、だからバイバイ」ってのが友達か?』


男はそう言いながら、わたしの顔を覗き込む。