『死になよ…ねえ。』



クク…と男は小さく笑う。


『…な、なんで…』


そう言うのがやっとだった。


『なんで?なんで!!って?』


男は嬉しそうに声を上げた。


『…悪戯するのに、理由がいるのかい?』


そう言ってまた笑う男の眼球が、赤黒く光を帯びる。




…なんで一わたしなの?


どうして?


『どうしてわたしなのよ!』



わたしは絶望の中で、力いっぱい叫んだ。




一ガコン


その時、背中越しにエレベーターの扉が開く。