『い…悪戯だよね?』


『…そう、だよね?』


『だって…メールなんて送れる訳、無いじゃん?』


『うん、送れる訳、無いよ。』


わたしと八重子は顔を見合わせ、再び携帯を覗き込んだ。


沈黙がじわじわと恐怖を運んで来る。


耐え兼ねたのか、八重子が口を開く。


『もうすぐ夏休み、だね!』


『う、うん!』


『楽しみだね!』


『…うん。』



『…。』


短い会話が終わり、再び沈黙が訪れた。


違う会話をしようにも、わたしも八重子もこのメールの事が気になって仕方がなかった。