『悪戯は、もう止めてください!』


わたしは体中の力を込めて、必死に叫んだ。


『…悪戯?』


クク、と、また笑い声。


『香織ちゃんのように、生きてる人間は傲慢で…本当に嫌だよ。』


心無しか、男の声に憎しみが込もる。


少しの沈黙の後、男は言った。


『…やめないよ。』


涙が後から後から溢れ出して、もう何も言う気力は無かった。


『香織ちゃんが死ぬまでは、ね…。』


足元の影の中の眼球が、笑ったように形を変えた。