とうとうラストのトラップの前にたどり着いた幸樹と祥万だったが、これを抜けるのは至難の業だと思った。

目の前は自分たちを襲ってくるロボットでいっぱいだった。

使える武器はロボット退治専用の剣と銃だけ。盾もない。


幸樹は修理しているときのことを、思い出していた。

(こいつらは・・・いちばん修理が難しかった。
そう、みんな前に突進してばかりで、後ろ側がとても融通がきかなくて・・・)

「そうだ、後ろだ!こいつらは後ろが弱点なんだ。」


「後ろに回ればいいってことだね。」


「ああ、できるか?」


「なんとかやってみるよ。」


祥万と幸樹は向かってくるロボットたちの後ろにまわるが、後ろにまわると別のロボットが突進してきて、攻撃をかわすだけで精一杯になってしまう。

これではいずれ体力の方が消耗してしまうだろう。


「祥万、俺が援護するからおまえが前に進むんだ。」


「了解!」


幸樹は祥万が後ろに回ると突進してくるロボットの注意を自分の方へと向かせて、祥万をゴールに近づけていた。


しかし、最後の1体になって、その1体は後ろが弱点ではなかったようだ。


「な、なんだよ。これは・・・後ろにまわっても後ろにも顔があるじゃない!」

「祥万!正当に戦え。それしかない。」

「そんなこといったって・・・俺は今、銃しか持ってないんだって。」

「剣はどうした?」

「もうラストだから、重い剣はそっちに落としてきてしまったよ。」


「くっ・・・先生、俺が援護するから、こいつなんとかしてぇ!!」

「わかった。このぉぉぉおお!!」


祥万の銃の援護で幸樹はラストのロボットを剣でやっつけ、ゴールまで走り切りトラップ制覇を果たした結果となった。


「ふう・・・。」


「先生、お疲れ様でした。
さすがに息子さんですね。お母様のトラップを抜けきるなんてすごい!」


「いや、祥万が援護してくれなかったら、俺も到達できなかった。
これはチームワークがいるな。」


「いい運動になったんじゃありませんか?」


「そうだな。って・・・他のみんなは?」


「はるかに手当てしてもらって、今、台所でぐったりしながらビール飲んでます。」


「あのなぁ・・・まぁいいか。ちょっとした運動会イベントだな。
じゃ、俺もシャワー浴びてくる。
そのあと、ビールで休憩だ。」


「はーい、用意しておきますね。」