翌朝、にぎやかな幸樹の家のキッチンでは、食事当番の相談が行われていた。


「そんなのお嬢さん2人にお願いしちゃえば完璧じゃないか。」


「輝彦さん、それは認識不足だし、男女差別よ。」


「へっ!明日奈とはるかはその道のプロだろう?」


「家庭料理はみんなの個性が出るのが楽しいんじゃない!
それに、ここで料理をしないのは2人のフセだけよ。」


「ぶっ・・・マジか?ここの先生も自炊かぁ?」


「幸樹先生は食材まるごと手に入れてきてくれることもあるのよ。
活きがいいのを料理までしてくれるわ。」


「すごいんだね、幸樹先生って。
はるか・・・そういうのはパパがやってくれないと無理だもん。」


「祥万さんも自慢のイタリアンだし、かなり炎の料理って感じで作ってくれるのよ。」


「わぁ!ここってほんとに楽しいっ。」


「で、順番としては、1番は私で、2番は祥万さん、3番ははるかで、4番は先生。
作る料理によって助っ人がいる場合は、誰でもメイドさんよ。」


「明日奈・・・どうして曜日で決めないの?」


「それじゃ、好きなものに偏りがちだし、同じ曜日に用事があると困っちゃうじゃない。」


「なるほどぉ!そうよね。明日奈すごぉ~い!」


「なあ・・・いつのまにはるかは、明日奈って呼び捨てになってるんだ?」


「だって、男の人みんな明日奈って呼ぶし、ひとりだけお姉ちゃんなんて・・・嫌だもの。」


「つまり明日奈ははるかが来たからオバサンにされるのが嫌なのか・・・。」