中庭、に行くと言ってただろうか? 時々に湊人が「大丈夫ですか」と、声を掛けてくる以外に会話はない。 「あれ、湊人じゃん!」 廊下の雰囲気がガラっと変わった気がした。 湊人の知り合いだろうと彼を見れば、湊人は私をゆっくり背中に隠すように声を発した。 「唯斗さん…」 その声は、やけに低く面倒臭そうに感じた。