気だるくそっちを見れば、この学校の制服ぴっちりと着た男。



「愛さん、お昼食べましたか。」


高校生には似つかない、きっちりとした口調と無愛想な顔。



「みなと…」

少し掠れた声で呼んだ名前に、その男……花月 湊人(かげつ みなと)は少し眉を潜めた。


「…愛さん、水分くらい小まめに取って下さい。」

す、とどこから取り出したんだろうと思う水を私に差し出す湊人。


「飲んでください」と渡された水を、ぼーっと眺めた。