「おはようございます、皆さん」


私の手を繋いだまま、湊が丁寧に頭を下げる。


…私も下げておこう。

誰だかわからないけど、湊がこの対応なのだから
きっと湊より立場か大きい人なのだろう、と…



「!あいさん、」


ガ、と肩を持たれ、顔を上げる。


見上げた湊の顔は、驚きと、悔しさと、また、よくわからない顔をしていた。


よくわからない顔をしたまま、ぼそり、呟くのだ。





「、あいさんは…そんなことしなくていいんです。」


それは命令のようにも聞こえたし、切実なお願いのようにも聞こえた。

それに頷いてみたけれど、湊は納得いかなそうな顔で、また前を見直した。