「あいさ、……唯斗さん、ちょっと待っててもらえますか?」


「あー?誰かいんのか?あ!彼女かぁ?やるなみなと!」


1人盛り上がるゆいとさん、に、湊人は少し黙っててもらえますか?と促す。

言葉遣いは丁寧なままだけど、明らかにいつもとは違う雰囲気だとわかる。




「愛さんすみません……。
これから自分はあの人と一緒に行かなければなりません。」


「そう。」


湊人が嫌じゃないんなら勝手に行けばいいのに、と思った。

湊人はそんな私の顔を見て、また困ったような表情だ。



「愛さんのご迷惑でなければ、自分に付いてきてほしいんです。
このまま愛さんを放っておけば、あなたは何も口にしないでしょう?」


「……べつに、」


その答えが口をついて出たのは、
湊人の言葉が図星、だったからなのだろうか。