目が覚めてしまえば、地獄を見る。

この世に、私なんてもの、いないような…

そんな気がする。

路地裏。それは、唯一私を生かしてくれる場所。

私の、住む世界。


路地裏から見えるあちらの世界は、
にぎやかで、いつも輝いている。

ひな祭り、バレンタイン、七夕、クリスマス…。

あちらの世界が、どんなににぎやかでも、こちらの世界はいつも…静かだ。


クリスマスになれば、あちらの世界では、恋人と手を繋ぎ、

ネオンの街を歩いて、雪が舞うように降れば、心が踊るのだろう。


でもこちらの世界では、寒くて寒くて、
いつも震えて、雪が追い詰めるかのように落ちてくると、心が真っ黒に染まる。

私はゴミ。

誰の目にもつかず…映らない。

私よりまだ、誰かの家の中のすみっこのホコリの方が、きっと幸せだわ。


あなたにはわかる?

このみじめさ。

あなたにはわかる?

この寒さが。

あなたにはわかる?

私の…私のこと。