路地裏から見える通りのビルにもエレベーターはあって。

中を見ても、1枚のガラスと灰色の壁だけだった。

でも、このエレベーター…
ソファーがあって、何故かテレビ。
そして…シャンデリア…。

部屋…とまではいかないけど、ソファーか入っても余裕のある広さ。

「あの…。」

私が口を開くと、彼は全てを悟ったように、

「ん?あぁ、エレベーターだよ?」

…。はい。エレベーターですよね?
そうなんですよね?

ならどうしてボタンが…
「ボタンがないのは、一部屋に一台専用のエレベーターだからだよ。」

あぁ。だから、エレベーターがあんなにたくさんあったんだ。