「で?
おめーら何か言い訳あんのか?
言ってみろよ、聞いてやる」



なんだこの上からな教師。
口悪過ぎだし。



「「あー、そのコイツが悪いんですー」」





「見事にハモったなぁ。仲良しじゃねぇか。いいこったぁ」



「だろー?俺ら仲良し!超超大親友!」



そう言ってあたしの肩を抱く優。
キモイけど、今は仕方ない。



「そーだよー。まっちゃんあたしと優はねさっきまっちゃんのスンバラシイ武勇伝で時を忘れてしまう程に盛り上がって、友情を高め合ってたんだよー、あははー」



あながち嘘でもないのでまぁヨシとしよう。



「そーかそーか。おめーらこれから2キロ走るってのに余裕だなぁ。さぞいいタイムだせるんだろーなぁ」



ヘラヘラ笑いながら言うけど、瞳が笑ってない。表情筋や眉がピクピクしている。





「せんせーい!授業まぁだぁ?」

聞き覚えのある女子生徒の声。
さすが親友!!




「チッ…、まあいい。おめーらあとで教務室こいよ」



あたし的になんのためにやるのか意味のわからない準備体操を終えて、先程まっちゃんの言ったとおりこれから2キロ走るらしい。



男女同時にスタートで走る距離も同じとか、もう少し女の子に優しいルールを考えるべきだと思う。



「…位置について、」



風に揺られるジャージを見ながら、めんどくさいなぁとひたすら思う。



前列に共に並ぶ優を見れば、さっきまでダルダルしてたくせして、やけにやる気満々。



アイツに負けるのは癪に障るので、あたしも久しぶりに走るかー。



「…用意」