「……親はいません。 子供のころ亡くなって、高校に入るまでは、伯父の家で暮らしてました。」 「……すみません。 デリカシーがありませんでしたね。」 「いえ、大丈夫です。 先生は、知らなかったんですから。 気にしないでください。」 「……わかりました。」 「はい、書けました。」 「では、役所に出しに行きましょう。 ついでに、柊さんの家にもよりましょう。」 「えっ?」 「いいから、いきますよ。」