言われたとおり、屋上で一時間ほど待った。

そして、先生がやっと戻ってくる。
手には一枚の紙を持っているようだ。


「これが証拠です。」


先生があたしに渡したのは、婚姻届。


「はい?」


「これで、踏み止まってくれますか?
それともやっぱり……。」


「……先生、ありがとうございます。
これで十分です。」


気づいたら、あたしの目からは、涙がこぼれていた。
先生は笑顔で、頭をぽんぽんっとしてくれる。