この女、ふざけてる。

明梨嗄より大切なもんなんて、あるはずない。
今までも。これからも。


「いりません。
あいつ以外、考えられないので。」


「見てみたいわ、その女。
慶助さんを、ここまで本気にさせる女。」


俺は、腕を掴んでいた、相田さんの手を振り払う。


「失礼します。」


相田さんの顔は見ずに、そのまま去った。