「終わった。」







「意外と時間かかったね。相楽くん部活とか入ってないの?」







「うん。塾があるから。」







「そっか。私はバスケ部のマネージャーなんだ!これから行くの。資料提出任せてもいいかな?」






「いいけど。」







「ありがとう!」







私は体育館に走り、急いで着替えて練習があっている場所に向かった。


ちょうど、休憩だったみたいで。
陽菜と私はマネージャーで、竜也と叶多は部員としてバスケ部に入っている。






「あ、お疲れ様〜。終わったの?」







「うん!ねぇ、5組の相楽那智って人知ってる?」






「え?超有名じゃんか。」







「有名なの?」







「杏子知らないの?すごくモテるんだよ。その人。」






やっぱりモテるのか。
モテそうだもんな。






「その人がどうかしたの?」






「さっき係りで呼ばれて一緒に作業してたんだけど、名前聞かれてさ。」






「え、本気で言ってる?」






「なにを?」







「相楽って名前聞かないし、覚えないって噂されてるんだよ?」






「普通に聞かれたよ?」







私が首を傾げると、にやっと陽菜は笑った。





「こりゃ、杏子のことラブの可能性はあるな。」




「そんなのあるわけないじゃん。今日初めて話したんだよ?」







私は一目惚れは信じないもん。
見た目だけなんてどうかしてる。



だから、それは絶対にない。