だからこそわからなかった。




いつも一緒に帰っていた涼介が、どんな勉強法で点数をとっているのか。






「涼介、隣のクラスの女子呼んでるぞ。同じクラスの子じゃない?」





「加藤さん。どうしたの?」






私は叶多と同じクラスで、涼介と葉菜が同じクラス。




「…梨乃、いい加減素直にならないと涼介取られちゃうよ?」





「…分かってるよ。」





「…じゃあ私も教室戻るね!また放課後ね!」





そう言って葉菜は戻っていった。
私は叶多と二人きり。





「…梨乃のばーか。」





「…うるさい。」





「涼介モテんの分かってるだろ?そろそろ危ないんじゃないの。」





「自分だって葉菜にアピールできないくせに。」





「ばっ…!言うなよ。」





私は涼介のことがずっと好きで、
叶多は葉菜のことが好き。




好きだけど素直になれなくて。