ルイスの名を継いだ以上命令に背くことは出来ない

例えそれが自分の両親を殺す事でも…



俺はそっと花をあげた



柚綺「……………」



城に戻るか…
華夜の目が覚めたかもしれない


華夜を助けたのは罪滅ぼしなのだろうか



俺は城へと歩き出した

…そろそろ夜が明ける


華夜「柚綺!こんな所に居たの!」


柚綺「目が覚めたのか…」


華夜「あなたにお礼が言いたくて…
助けてくれてありがとう」


曇り一つ感じられない
俺が…皆殺したっつーのにな


柚綺「…目が覚めたなら俺はもう行く」



これ以上ここに居たら変な気分になる…
それにあいつがうるさいからな



俺は月を出ようとした



華夜「待って!」

行こうと思った時俺は華夜に呼び止められた


柚綺「…なんだ」



これ以上ここに居たら情がうつる



華夜「…またどこかで会えるかな」



――――!

いくら何でも…悪魔の俺にそんな風に言うのか



柚綺「さあな…」



それだけ言い残して俺は月を出た


この時から俺の気持ちが揺れ始めていた