終わった…
いくら排除しても毎晩襲ってくる妖魔
……駄目…意識が遠のく…
そこで私の意識は途絶えた
エマ「姫様!」
柚綺「……………」
エマ「姫様!しっかりして下さい!」
柚綺「気を失ってるだけだ。城へ運ぶぞ」
*エマ*
あの後あの柚綺と名乗る悪魔が姫様を城まで運んでくれた
…姫様……
戦いの後すぐに気を失うなんて…
やはり疲れていられる…
眠るのもおろか休む事もずっとなかった
私は姫様の側に居るのに何も出来ない…
ガチャ
柚綺「華夜は」
エマ「今はまだ……」
柚綺「そうか」
エマ「さっきは姫様を助けて…ありがとう…
あなた悪魔だけどいい奴ね…」
悪魔にもこんな奴がいるなんて…
私がお礼を言うと少し驚いた顔をしていた
柚綺「俺にも名前がある
柚綺だ。次からそう呼べ」
エマ「…雪女のエマよ」
柚綺「お前も休んだらどうだ」
エマ「大丈夫。
今も結界は解いたままだしまた妖魔が襲って来るかもしれないから…」
ほんの少しでも姫様には安心して休んでほしい…
エマ「お側に居ることしか私には出来ないから…」
自分の力のなさに情けなくなる
あの時私がもっとしっかりしていたら姫様は苦しまずに済んだ…
柚綺「…結界なら今、俺が張ってる
だから敵が襲って来る事はない
華夜の目が覚めたら俺はここを出て行く
それまでは安心して休めばいい」
そう言い残すと部屋を出て行った
結界!?
まさかこの月全体に結界を!?
それにはかなりの力が必要なはず
月でも紅羽様や伊那様、夜光様や姫様など力を持った者にしか出来なかった
たかが悪魔に簡単に出来る技じゃない
どうゆう事なの…
…柚綺…ただ者じゃなさそうね