――…何時間経っただろう


母さんの出血はようやく止まり母さんは部屋に運ばれた

命は何とか大丈夫だったみたいだったけど母さんの意識は戻ってなかった


俺のせいで母さんをあんな目に…



冬夜「くそっ!!」


母さんの事、杏の事…そして魔女リノン…
いろんな事が頭をぐるぐるしていた


「…冬夜様…我々はどうしたら…」


しっかりしろ
母さんは今あの状態だ
多分月の周りの結界も消えている…



冬夜「…母さんの意識が戻るまでの間、俺が変わりに指揮を取る!

今!月の周りの結界は消えている
変わりに俺が結界を張りいち早く敵を感知する!!

各自自分の持ち場で待機!
夜が明けるまでみんな耐えてくれ!!」



「「「はい!!」」」


俺の合図でみんなが動き出し、俺はすぐに結界を張った


…ぐっ!?…結界をはるだけで予想以上の霊力を使う…



やっぱり母さんはすごいな…
でも俺だって母さんの子だ
俺に出来ないわけがない!

母さんが命がけで守ってきたんだ
絶対に守ってみせる!


――…冬夜「はあぁぁっ!」


ざくっ………


妖魔が光りとなり消えていく



あれから妖魔が数体襲ってきた
感知するだけの今の俺の結界は妖魔の侵入を許してしまう…

まだ俺が力を使いこなせてないって事だ…


冬夜「はぁ……はぁ………」


ようやく夜が明けた…
霊力をほぼ使い果たし俺はその場に膝をついた



「冬夜様!」

「大丈夫でございますか!」



冬夜「なんとか…それよりもみんな怪我はないか?」



「冬夜様のおかげで全員無事でございます」



冬夜「そっか…みんなありがとう…
俺は母さんの様子を見に行く
ゆっくり休んで…」



みんな力も王としても未熟な俺についてきてくれた…感謝でいっぱいだ…



「ずいぶん立派になりましたね…」


「そうね…どんどん王としてふさわしくなっていく」


「さすがあの2人の子と言ったところか…」



「姫様と柚綺様…
冬夜様はしっかりあの2人の意志を受け継いでるのね」