華夜「…みんなよく聞いて。今、分かった事を話す」


母さんはゆっくり話し始めた


華夜「今の杏は確かに何者かに操られていた…
さっきはっきり分かった
杏に感じられたあの魔力……間違いない
あれはリノンの魔力」


周りがざわめいた



冬夜「リノン……?」



母さんの治療をしながらエマが教えてくれた


エマ「冬夜様は知らなかったですね
まだ小さかったですから…

リノンは狡猾(こうかつ)な魔女
今より11年前、冬夜様が4つの時
リノンは突然、私達の前に現れたのです

多勢に無勢でしたが姫様は戦い…見事勝利したのです
しかし姫様はリノンを生かしたのです」


え……
妖魔達には容赦の無い母さんが襲ってきた敵を生かした!?


エマ「…あれから11年何もありませんでしたがやはり奴の因縁は終わってなかったのですね
あの時より遥かに魔力をつけて再び私達の前に現れた」



因縁…?



華夜「恐らくリノンの事…
巨大な杏の朱雀の力を自分の物にしたかったのね
操り、自分の思い通りに動く駒として」



―そんな!杏をそんな風に…っ



華夜「リノンが再び動き出している…
それと一番厄介なのが杏の持っていた刀
黒刀…」