…一体何が起こったんだ



エマ「姫様!たった今こちらに杏が…っ!?」


エマ達が遅れて城に入って来た



斬られた…と思った
だけど斬られたのは俺じゃなかった


斬られたのは……



口からつぅーと血が流れる
傷口から噴水のように流れ出す大量の血で床は血だらけだった



冬夜「――母さん!!!」



エマ「姫様ぁ!!」


斬られたのは母さんだった


華夜「―……っ」


母さんはすぐさま星蘭を抜き杏に向かって振り切った

しかし杏は身軽に交わして逃げるように出て行った



冬夜「杏!!」


俺とエマ達はすぐに杏を追いかけようとしたがそれを母さんは止めた



華夜「待ちなさいっ…深追いをしないで…
今の杏に近づいてはダメ…!」



冬夜「母さん!」



母さんは傷口を押さえて必死で俺達を止めた



エマ「姫様、今すぐ傷を!」


母さんがこんな深手を負うなんてっ…
いや、母さんは俺をかばって……

杏の魔力に気付かずうかつに近づいたから…


冬夜「俺のせいで…っ」



華夜「…冬夜、あなたが悔やむ事は無い……
私も気付くのが遅れてしまった…
私は大丈夫
それよりも今やるべき事をしなさい…」