華夜「…何か来たみたいね」


冬夜「うん…」


俺は立ち上がり星蘭を手にした


でも何か妙だ
敵ならみんな騒ぐはず
それすら無く静かなまま…

それにこの魔力は…


華夜「…様子がおかしい
それに幾つもの魔力が混ざってる…」


一体何が来たんだ……



月の西側
雪妖怪の住んでいる場所で侵入者は姿を現した


最初に見つけたのはエマだった



エマ「あれは…杏?」


(戻って来たのかしら…
真っ直ぐ城の方へ行ったけど何か様子がいつもと違ったような…)



不思議に思ったエマはナギサと他7人を連れて城の方に向かった


そうして悪夢の夜が始まった


しばらくすると城の中に入って来る1つの影があった


敵か!?

そう思い俺は星蘭を抜いた

少しずつ近づいて来る影をじっと見つめているとそれは敵ではなく杏だと言う事に気付いた



冬夜「杏!!」



俺は刀を鞘にしまいすぐに杏に駆け寄った



華夜(杏…?
この魔力…さっき感じた奴ので間違いない…
だけどいつもの杏の魔力では…それにこの魔力どこかで…)




冬夜「杏!今までどこ行ってたんだよ!」



俺が問いかけても何故か杏は黙って俯いていた



冬夜「杏?」



杏「殺す…
華…ゃ……姫……ぉ前……も」



杏の声は小さくて俺には何を言ってるか分からなかった



華夜(思い出した!この魔力は…!!)



華夜「冬夜!!今すぐ杏から離れなさい!!」



冬夜「え…?」



気付いた時には遅く杏は俺に向かって刀を振り下ろしていた




華夜「冬夜っ!!!」