冬夜「母さん?なんで…忙しかったんじゃ…」
華夜「ん?実はめんどくさくなって放り投げてきたの♪」
冬夜「えぇ!?そんなことして大丈夫なの!?」
華夜「冬夜がそんなこと心配しなくていいの」
母さんは笑って俺の頭を撫でてくれた
たったそれだけでさっきまでの寂しさがどっかにいってしまうくらい俺は嬉しく感じた
今、思えば母さんは俺が寂しがっているのをちゃんと知ってたんだ
俺の事をちゃんと考えていてくれた
でも母さんはそんなこと一言も言わなかった
俺が気にしないように気を使ったんだと思う
華夜「…柚綺」
冬夜「え?」
華夜「あなたの父さんの名前なの」
そこで初めて母さんは父さんの事を教えてくれた
父さんの事を聞いてびっくりしたけど…すごく嬉しかった
ずっと俺はちっぽけな存在だと思ってた
母さんももしかしたら俺の事なんてなんとも思ってないんじゃないかって…不安だった
でも…俺は望まれてたんだ
生まれてくることを…そして2人の大きな愛情に…
――――…なんで今、こんな事思い出したんだ
きっと俺はあの時の自分と杏を重ねてしまったんだ…