ポカポカ太陽とふかふかなおふとん。
あぁ~幸せ♡
このまま死ぬまでここにいたい~♩
…なんて願いは叶わないわけで。

ドタドタドタドタ…バンッ!!!!!!!!!!
大きな足音、勢い良くドアを開ける音。
来た来た、私にとっての悪魔がぁ!

「おねぇちゃぁーんっ!起きて起きてぇっ!優馬((ユウマ))はおねぇちゃんと遊びたいのぉ!はぁやぁくぅー!!!!!」

と叫びながら私の上に乗っかって体を揺すってくる。
うぁあ…重いっ!!

「もぉ~、優馬ぁ!重いよう…。」

まだ3歳の弟の優馬、でもでも、お腹に乗られるととーっても重い!!

私は半泣きになりながら起きる。
毎朝こんな感じです。

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キーンコーンカーンコーン…♩

「…っだぁっ!!!!!」

朝のチャイムとほぼ同時に教室に入る。

やったぁ!
走ったおかげで遅刻しなくて済んだ!

変な声出たけど、いつものコトだし気にしなぁい~♪

「心恋!おはよう!」
「愛海((マヒロ))~!おっはよおー!」

私の大親友の愛海は、背が私と同じくらい小さくて、(高校①年生現在で152cm)腰まであるふわっふわの茶髪、
美白で目がまんまるで、
唇が小さくて手足が細くて…。

ほ~んとに可愛いっ♡♡♡♡♡♡

でも見た目にまどわされちゃダメ(笑)

かんじんの性格はというと…。

「相変わらず学校来るのおっそいね~心恋!ぁ、走るの遅いから仕方ないか!」

…うん。
にこにこと可愛い笑顔を見せながら、結構な暴言っ!

可愛いお顔で無意識に暴言吐くのが愛海の性格なんです。

ま!そんなところも全部含めて、私は 愛海が大好きなんだけどねっ!

「あ!そう言えば、今朝噂になってたんだけど、昨日の放課後、また涼くん告白されてたみたいね~。」

愛海はそう言いながら袋詰めのチョコがたくさん入った袋を開けている。

まだ朝なのに…よく食べるなぁ…。

あ!そんなことより!

「えぇ~っ、やっぱ涼はモテるね~!中学の時③年間同じクラスだったけど、涼のコト好きだった女の子、多かったもんな…。」

そう言って窓際の席を見る。

同じクラスの落合 涼は世に言う「不良」ってやつで。

だからなのかな、朝や昼休み、放課後は教室にいないんです。

廊下で不良グループと固まってるコトが多い。

中学の時から、彼女を①人もつくったことがないし、女の子とも基本話さない。

サッカーのクラブチームに入ってるから部活には入っていなくて、日に焼けた肌と少したれた一重の目。

いつもはクールで落ち着いてる彼がたまに見せる笑顔に、女の子はキュンってきちゃうんだよねぇ…。

「心恋は、別に涼くんのコト好きってわけじゃないんでしょ?」

“こってりチョコドリンク”
とパッケージに書かれているチョコレート色の飲み物を飲みながら、愛海が私の顔をのぞきこんだ。

「ん~、中①の時からかっこいいって思って、憧れてはいたけどね!恋愛感情はないと思うよっ!」

そう答えて、マジマジと愛海を見つめる私に、「何よ。」とムスっとして顔をしかめる愛海。

愛海と出会ってからもう③年目。

中②の時に友達になったんだよね。

…なら、そろそろこの話題に触れてもいいはず…。

「ねぇ、愛海?」
「え、心恋が深刻な顔してる!怖い!なになに、どうしたのさ!」

…。

「…男の子にバレンタインチョコもらった時に、“チョコレート、アレルギーなの ”って答えるのはなぜ?」