「…て…」
俺は、何をしてるんだ…
辿り着いたのは自分の家。
明かりのついていないのを確認し
鍵穴に鍵を差し込む。
「家に連れ込むって…手早いね?」
「っ…」
人の親切を……!!
と、怒鳴りたいところだが事実。
俺は(ほぼ)無理矢理
女を家に連れてきてしまった。
「と、とりあえず上がれ」
ギクシャクしながら言うと
スタスタと女は家に入っていく。
な、なんて厚かましい奴なんだ!
俺はこんな女に同情した
自分をバカだと思った。
ボロボロだと思えば
ケロっとした顔して
なんの警戒も疑いもなく
人の家に上がりこんだ。
そんな図々しい姿に
最悪の事態を予想していた俺は
勘違いだと思った。